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ウインナー愛
by KentaroHatanaka on 2021.2.26 Fri
加工肉が好きだ。特に生ハム、ウインナー、ソーセージ。加工肉の本場(?)ヨーロッパに行くと、ホテルの朝食のベーコンからして、日本より美味しい。スペインで食べたハモンセラーノには感動したし、ドイツで食べた白ソーセージもすごく美味しかった。ベルギーで食べた豚の血入りのソーセージだけは、あまり好みじゃなかった。
普段はもちろん、そんなにいいものばかり食べられるわけもなく、もっぱらスーパーの特売を狙ってのウインナー2袋セット。ジャンルを問わず幅広い料理に使えるし、そこそこ日持ちもするので、冷蔵庫にだいたい入っている。鍋料理には必ず入れたい。パッケージの裏を読むと、どうやら生でも食べられるらしい。
ネトフリで「美味の起源」というドキュメンタリーを観た。中国の食文化を、各地域の人々の暮らしから紹介していく番組だ。初めて知る羊料理がいくつか出てきた。羊の胃袋の中に熱した石を入れて膨らませ、圧力鍋のように羊肉を蒸し焼きにする “ダオシーホー(道食合)”、網脂と呼ばれる、薄い脂の膜でレバーを包んだ “ジーゴウガン(脂裹肝)”など。現地で食べてみたい!と思う一方で、羊たちにとっては、なんて残酷な調理法なんだと、少し申し訳ないような気持ちになった。
日本語でいうと腸詰め。いつも食べてるあの商品も、よくよく考えてみると、豚肉を羊の腸に詰めたものだ。お米や具材を詰めこんだ料理、例えばイカ飯やサムゲタンなどは、姿形をある程度保っている。だから食べるときに「ゴメンネ」という気持ちが毎回湧いてくる。だけどウインナーやソーセージは、その形や名前のポップさもあって、その気持ちを忘れたまま食べている。
環境負荷の問題などで、肉食ってどうなの?という話をよく聞くようになった。大豆ミートなどの代替肉、昆虫のスナック菓子を試しに食べてみて、案外いける、肉が無くなっても大丈夫かも、なんて考えている。培養肉なんてのも実用化しつつあるらしい。
これは先日届いた、NY在住の松尾由貴さんが主催するYuki&Daughtersのぬいぐるみ。早速、冷蔵庫の裏にぶら下げてみた。
「昭和や平成生まれって、動物を殺して食べてたんだって」
「昔の人って野蛮だよね」
「腸の中に肉を詰める料理なんてのもあったらしい」
「恐ろしい……。」
なんてことを言われる未来がやってくるかもしれない。でもまだ大丈夫。今はのんきに、この愛くるしいソーセージたちを眺めている。