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アートを楽しむ温泉街

アートを楽しむ温泉街

by AzumiHirose on 2022.1.17 Mon

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします!

年明けに、母と祖母とともに大分・由布院へ行きました。
由布院というと、「渋い温泉街」のイメージだったのですが、
わたしの記憶にある、かつて(たぶん15年ほど前)の様子からは
なんだかいろいろと変化しているようで、アートが楽しめる温泉街になっていました。

由布院駅の待合室はギャラリーを兼ねていて
わたしが訪れたときには、前田尚史氏の写真展「時の形象」が開催されていました。

電車を待っている間にくつろいでいる人もいれば、
展示された作品をじっくり観賞している人もいます。
あまりにも日常になじみすぎると、作品の存在感が薄れてしまう気がするのですが、
ここは、穏やかな空気のなかにすこしの緊張感がある
待合室と美術館のちょうど中間のような、絶妙な場所です。

「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」は由布院駅から歩いて行ける美術館なのでおすすめです。
うつくしいロゴデザインは、原研哉氏によるもの。

「gallery Ⅰ」には村上隆氏、「gallery Ⅱ」には杉本博司氏の作品が並んでいます。
ふたつのギャラリーを区切るのは、わずかに差す自然光が反射する水盤と、ガラスの壁です。

一方のギャラリーから、揺れる水盤をはさんでむこう側に、もう一方のギャラリーが見える。
むこう側からこちら側を見つめる人も見える。
目に見える壁はないけれど、やけにむこうが遠く感じられるような、たのしいつくりです。

屋外のギャラリーには、由布岳を背景にして巨大な白い犬が。
奈良美智氏による作品です。
田舎風景と枯山水の庭園を背に構え、なめらかな白い表面をもつ犬は、こわくて、かわいい。
すこし離れたラウンジでお茶を飲んでいる間も、その異様さに目を奪われます。

展示されている作品の数は多くないものの
見せ方が凝っていて、いろんな角度から楽しめる美術館です。

それもそのはずで、建築を手がけたのは隈研吾氏。
建物自体、ひとつの作品として見応えがあります。

由布院を訪れた際には、ぜひ。

「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」
所在地: 大分県由布市湯布院町川上2995-1[Map
開館時間:9時30分~17時30分(案内時間: 9時40分~16時)
※最大鑑賞時間60分
休館日: 水曜日
HP:https://camy.oita.jp

Writer
廣瀬 あづみ

ライター / POSS COFFEE スタッフ