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理想の「冷やし中華」

理想の「冷やし中華」

by MayuYasunaga on 2022.8.16 Tue

年齢のせいか、ここ数年で少しずつ食の好みが変わってきた。その例のひとつが「冷やし中華」。昔はあの「サラダ感」と「甘酸っぱさ」は必要なかったんだけど、ここのところは季節に限らず体が求めている。でも、なかなか理想の一皿にはたどり着けないんですよね。

その私の理想の一皿ってのが、銀座2丁目にある「萬福」の「冷やし中華」。ここにはごま味としょうゆ味があるんだけど、散々迷った結果、やっぱりいつも「しょうゆ味」を頼んでしまいます。

思えば、初めて意識して「冷やし中華」を頼んで食べたのが「萬福」だったかもしれません。「冷やし中華」はもちろんのこと、ここに来ると東京らしいきりっとしたラーメンが味わえるのもうれしくて。銀座に滞在する楽しみのひとつでもあります。

この一皿を求めて、福岡でも近年「冷やし中華をめぐる旅」を小さく企てるも、なかなか思うようにはいきません。そもそも、活動圏の中央区内には昔ながらの町中華が少ないからです。それでも、「冷やし中華」の文字が目に入ればチェックすることにしていて、この夏食べたうちのいくつかをピックアップしてみると……。

酒飲みの巣窟「角屋」の上にある「豊久」の「冷めん」(730円)。ぱっと見はオーソドックスだけど、キャベツの千切り、わかめ、メンマと具は個性的です。

博多駅の「名代ラーメン亭 博多駅地下街店」の「冷やし中華」(600円)はごま風味のタレでさらに個性派。キャベツはフレッシュなのと浅漬けのものとが入っていて、上にはパイナップル(かわいい)。半チャーハンとのセットにもできます。

おばちゃんがフレンドリーで癒される「レストラン喫茶香港」の「冷麺」(980円)は、エビ、鶏、トマト、玉子で色鮮やか。中華風のごまだれがかかっているので、よく混ぜてからいただきます。

うむ。全部おいしいんだけど、私が求める東京の冷やし中華とはなんだか違うのは地域性か?

そんななか、この前、高田馬場の「一番飯店」に行ったときに「冷やし中華」(880円)を発見。醤油味でオーダーして、できあがってきたのがこちら。

うんうん、かなり理想に近づいた! 具材もそうだけど、醤油が違う。

東京と福岡だと醤油は全然違うから、私の味覚は関東寄りなのか? 両親ともに出身は福岡だけど、私の生まれ育ちは香川だったから、福岡や九州の味覚にふれたのは比較的大きくなってから。だから、味の好みも境界があいまいになってるのかも。そう結論づけると、福岡生活が長い私が「萬福」の冷やし中華やラーメンにノスタルジーを感じるのも一理ある。

またこの前も、銀座に滞在して「萬福」で「冷やし中華」を食べた。むしろ、「萬福」があるから銀座に滞在してるのかとも思えてきた。こんな感じの正統派の冷やし中華、福岡で食べられるところがあったらぜひ知りたいものです。

Writer
安永 真由

ライター / ディレクター