Things
今だからできること
by MayoGoto on 2021.2.15 Mon
音楽に詳しくない私ですが、昔からピアノや弦楽器の音色がたまらなく好きです。
小学生の頃、習い事として真っ先に親へピアノを提案しましたが、あっけなく断られまして。
飽き性で(暇さえあれば裏山にいる動物と戯れている)やんちゃな私に、ピアノのレッスンも高額なピアノも無駄だという母の懸命な判断でした。
当時、ピアノは習えなかったけども意外と気持ちは熱く、友達の家でよく練習していました。
近所の豊かなご家庭だったレナちゃん家のママと最大限のコミュ力を生かし仲良くなり、レナちゃんが習い事でいないときでも構わず私だけその家にまっすぐお邪魔し、熱心にピアノを弾いていたっけな。
今思えば心の広いお母さまですよね。
夕暮れ時、一生懸命にベートーベンの運命を練習していたのはいい思い出です。
いや本当に迷惑なやつですね!
両手が一緒に動くしリズムがうまくとれないしで、いくらやってもピアノのセンスないなと理解した私の情熱は、いつしか水泳とそろばんという当時の二大定番習い事へとスライドしていきました。
でもおかげさまで、仕事で行ったあご漁取材では漁師さんと同様にスタンディングのまま何時間も楽しく会話していられる体幹が強い体に、経理処理のときには空中でそろばんを弾くように指を動かし未だに暗算できる大人になりました。
みなさんは子どもの頃何をしていましたか?
と、前回の話に続き、今回も実際やる側ではなく楽しむ側の話です。
2/7、京都を拠点とするインストバンド「NABOWA」メンバーでヴァイオリニストの山本啓(ひらく)さんのソロライブに行ってきました。
きっかけは山本さんのインスタグラムを見ていたとき。
いつも興味深い活動内容をアップされているんですが、何故か急に何かでご一緒したいという衝動が走り、直接DMでご連絡をしたことです。
山本さんは飲食店で出張料理人としてお手製のマーボー豆腐をふるまっていたり、キャンプやロードバイクで本格的なアウトドアを楽しんでいたり、音響スタッフさん?映像スタッフさん?かのような専門機材をたくさん抱えて出かけていたりして、とにかく多才な人なんですよね。
私といえばなにしろ飽き性のうえに不器用なので、その正反対でもある憧れの人がちょうど熊本でライブをすると聞きつければ、これは良い機会とばかり駆けつけずにはいられませんでした。
※山本さんは2009年の『Sunset Live』で取材させてもらって以来、ずっと変わらず、神対応のアーティストさんです(NABOWAは驚くほどみなさんがそう)
セットアップ中の山本さん。
ソロのライブではギターやヴァイオリンを使って、リアルタイムでエフェクト(音の加工)やループ(その場で録音した音を重ねていく奏法)を駆使して演奏していきます。
段階的に音が重なっていく様子をはじめて体感しましたが本当に新鮮で、アンコールまであっという間でした。
前半の静かで大人しい音が、徐々に力強いリズムや異なる音と重なり続け、結果的に壮大な曲となっていく――とにかく、「へぇぇ!!」と唸るライブでした。
帰り、妙にお腹がすいていたのは巧妙な楽曲制作現場を見たかのような密度のライブを味わったため右脳も左脳もフルに使ったからでしょう。知恵熱みたいなものかもしれません(笑)。
一人の演奏であんなに複雑な演奏ができるなんて…早くもう一度行ってみたいです。
また、ライブはコロナ禍のなかでウイルス対策と同じくらいハマっていたという映像機材のひとつ、シネマカメラで撮影。バイノーラルマイク(人の耳で音を聴く状態をできる限り再現するという特殊マイク)で音源収録しながら、来られなかった人のためにと山本さんの公式YouTubeで生配信されていました。
アーカイブもされていて悔しいくらい当日のライブが今でもリアルに楽しめるので、ぜひ一度聴いてみてください!
※ヘッドホン推奨映像とのこと。ライブ配信を鑑賞中のファンに向けて、耳の形をしたバイノーラルマイクにコソコソ話のように語りかけていた山本さんの声がヘッドホン越しにリアルに楽しめます!
そして、NABOWAといえば即興演奏を中心とした野外ライブなどのイベントがとくに人気のバンドではありますが、コロナ禍でも勢いよく新作リリースを続けられていました。
今だからこそできる音楽をリアルタイムで届けようということで、メンバーそれぞれが自宅やスタジオにとどまり完全リモートで作った楽曲を発表。
1作・1週間のハイペースで制作された全3作でのシリーズによるミニアルバムや、他のアーティストとのコラボレーションアルバムをいくつかリリースしていました。まだの方はこちらも素敵なのでぜひ!
https://www.nabowa.com/discography
どんな状況でも勢いを落とさずに生み出すことのできる人は強いですね。願わくば、私もそうありたいものです。