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健康と長寿を願って贈る「博多自然薯」

健康と長寿を願って贈る「博多自然薯」

by MayoGoto on 2021.12.30 Thu

ジャガイモの生産量・国内第2位の長崎!ジャガイモの産地である雲仙市のお隣、諫早市出身の私なのですが、昔からイモが好物です。中でも疲れた時のエネルギーチャージとして自然薯がお気に入り。自然薯&料理ジャンル&エリアなどをキーワードにして飲食店探しをよくやっています。そこで先日偶然見つけた“博多自然薯プロジェクト”が、知れば知るほど良かったのでご紹介します。

天神からクルマで約30分、古賀市筵内にある古賀農園に行ってきました。
“博多自然薯プロジェクト”の筆頭生産者であり、栽培技術担当者の古賀祐史さんと。

“博多自然薯プロジェクト”とは、健康な身体づくりがより重要となった今に相応しいギフトとして自然薯を提案するというもの。
栄養価が高く、希少な自然薯の栽培に一から取り組み、ここでしかできないものづくりをされています。

プロジェクトのきっかけは、以前クラブで働いていたという古賀さんの当時上司だったという松岡まさたかさんとのやりとりから。「千年夜市」などを手がけてきたイベント企画制作会社の松岡さんと、コロナ禍の厳しい状況下における仕事の新しい展開を話していたところ行き着いたそう。その後プロジェクトには仲間も加わり、現在3名を中心に進められています。

博多自然薯プロジェクトのメンバーはこちら
https://www.instagram.com/kogafarm/
https://www.instagram.com/masatakajapan/

自然薯の栽培方法は特殊であることから、世界で初めて栽培に成功したという山口の「政田自然農園」に研修に行かれています。クレバーパイプを利用した本格的な栽培方法となっています。

自然薯の入っているパイプが眠る土。30cm間隔でパイプが重なる形に埋まっています。
畑全体で500株が植えてあります。

写真で見えている土はこの地のものですが、自然薯自体に触れるパイプ内の土は無菌の土が良いとのことから、山から運んできたものを使っているといいます。
「土木工事のように畑を作ること自体がかなりハード。そういったところもなかなか継続の難しい理由の一つかもしれません」と古賀さん。

準備から収穫までには約10ヶ月かかります。
「種芋の確保」〜「植え付け」〜「圃場の管理」〜「収穫」のどの工程にも細かなテクニックが問われるとのこと。成長の様子は土の中にあるイモなので掘ってみないと分からない…まさに出たとこ勝負。農業の経験値が問われる作物です。

栽培について気になる方はこちらをご覧ください。

そんな訳で植えた株の半分が収穫できればいい方だといわれる自然薯づくりですが、今回植えた株の半分以上となる自然薯300本を販売しています。通常、大体3ヶ月スパンで回すことができる野菜を育てている古賀さん。自然薯はもちろん初めてだったということで栽培方法や生育のリズムを掴むのに苦労したといいます。ただ来年はもっと安定した生産ができそうな手応えがあったと話されていたので、今後もっと期待されるプロジェクトになりそう!

私たちも収穫を体験させてもらいました。実際は道具を使用するそうですが、土にも触れたいということで手掘りさせてもらいました。掘っている途中、むかごが出てきたり、パイプからはみ出て変形したイモが見えたりで収穫のリアルな楽しみを実感。
結果、「これかなりいいやつ取れちゃいましたね、高いですよ〜」と笑われるほどの巨大な一本を収穫。1kg超えのものは“特上”として売られているそうですが、なんと1.6kgほどのものを手にしました!

掘りたてホヤホヤの自然薯。とにかく長いです。

12/26より提供がスタートしている自然薯は「贈答用の化粧箱入り一本もの」と「家庭用の箱入り切り芋」があります。2月くらいまで土の中で大丈夫なイモは注文され次第収穫・発送しているとのこと。とはいえ、数量限定なので気になる方はお早めに。

購入はこちらから可能です。

自分へのご褒美グルメとしてしか楽しんでいなかった自然薯ですが、今回、若返りホルモンとも呼ばれるDHEAなど栄養素が豊富であることを知り、自然薯を「元気でいてね」のメッセージとして贈るという新しい発想に触れとても共感しました。日ごろの感謝を込めて、家族やお世話になっている方々への冬の贈り物にしたいと思います。

T.READのレシピ作者である料理家の中願寺さんと古賀さん。取材の続編として中願寺さんにレシピをお願いしたら、ふたりは昔からのお知り合いでした!(DJという共通点を持つ方々、多才です…)
https://t-read.jp/recommend/

最後になりましたが、古賀農園は年間で30種ほどを育てる露地野菜農家。産直流通事業と飲食店向けのサービスを行う「JIMONO」に加盟しています。近隣ではスーパーのマキイ、ナチュ村、イーマート薬院バリュー、博多阪急などで買える他、福岡の飲食店30店舗ほどで味わえます。

野菜の品目は都市型農業の利点を生かし、飲食店のシェフやスタッフと密に連携を取りながら選定。相手が欲しいもの、こちらから提案したいものを話し合って決めているのだそうです。

古賀農園の7割はキャベツやカリフラワー、シイタケなどの定番系。

真っ白で葉も美しいカリフラワー。イチゴやミカンよりビタミンCの含有率が多いので家庭でも大人気の野菜です。私はサラダでモリモリいただきましたが、みずみずしくて甘みのある茎が絶品でした!

そして古賀農園の3割を占めるのが、今回紹介した自然薯やキャッサバなどの遊び系。最初から販路の決まっているものではなく、自分たちで取引先まで開拓するチャレンジングなものです。これらの様々な経験があるからこそ、農業の臨機応変な対応力が身に付いていっているのではと言われていました。

そうそう、このタピオカの原料となるキャッサバ。国内ではまだ生で入手するのは難しいようです。珍しいものでも、美味しさや調理の可能性があると感じたものには何でも果敢に挑戦する古賀農園。その姿勢には目を見張るものがあります。

生産や流通、日本ではあまり知られていない料理の難しさなどにもとらわれず食を楽しむ人の「あるといいな」を実現させようとするパワー、バイタリティある古賀さんに今後も目が離せません。

今回紹介した自然薯のレシピはこちら